2009' 9 / 5

ずっと、くすぶり続けている疑問

スピーカは可聴帯域の20Hzまで再生できないのです。なんで?おかしいんじゃないの?そんなんでいいの?

速度型MFBシステム

高橋和正氏の4ウェイMFBシステムを聴くチャンスに恵まれました。そこで演奏しているかのように生々しく楽器の音がしてサイズまでわかるかのようでした。再生の途中で他のスピーカに切り替えられても音の違いが無くとても貴重な体験でした(ありがとうございました)。

ハイエンドのスピーカシステムでさえパイプオルガンの16フィート管や32フィート管の基音の再生はだめで、ちゃんと再生するには速度型MFBスピーカがベターで製品化された加速度型MFBスピーカは間違っていること。速度型MFBによりダイアフラムのリニアリティの改善が期待できることや、デッドマス付加によってスピーカのS/N(余計な音がしないの意味)が改善されるなどが要点でした。さらに「エンクロージャの容量に左右されない」ともされていてとても耳寄りでした。

高橋和正邸にて

ターゲット

汚いものとあきらめていたひずみだらけ低音が速度型MFBによって改善できそうです。エンクロージャ形式やチューニングでは到達しえなかった低域再生限界が打破できそうです。小さなMG100HR-Sシングルコーンで全可聴帯域がカバーできるとなると面白そうです♪

超小型密閉型エンクロージャ

MG100HR-Sに合わせて加工したバフルを貼り合せて超小型密閉型エンクロージャを製作してみました。内部ににデッドマスの支持機構を組み込んでいます。

デッドマスとスピーカユニットの容積を差し引いた内部容積は4リッタ弱と低音再生には絶望的なほど不利な容積です。MFBが原理的に優れているなら20Hzがフラットに出力できるはずです。

エンクロージャ内部はグラスウール7枚を2枚のフェルトではさみ、詰め込んでいます。

超小型密閉型エンクロージャ

デッドマス

真鍮の丸棒でサイズは60mmφ x 100mm、2.4kgあります。ダイアフラム実効質量の200倍以上必要とされていまが、MG100HR-Sのダイアフラム実効質量は5.4gなので2400/5.4=440倍と十分です。MG100HR-Sユニットの自重が1.49kgとこれだけで275倍とありますから無くても十分といえそうです。

ウェイト

 

単体測定

床や壁、天井など反射から逃げるために近傍、軸上10cmでの特性です。

測定の模様

メーカ発表のパラメータを代入してシミュレーションで求めた4リッタ密閉箱での最低共振周波数は93Hzですが、実際には最低共振周波数は83Hzが得られています。エンクロージャとぎゅっと詰め込んだ吸音材によって最低共振周波数のインピーダンスが下がり高域のインピーダンスは上がっています。

インピーダンス特性

MG100HR-Sの極端に低いQによりf0のピークが低く低域はだら下がり特性です。このまま聴いてみましたが低音が不足で高域にエネルギーが片寄った印象です。

周波数特性

グライコによる補正

グライコで補正してみました。50Hzまでフラットにできるためエンクロージャの設計による周波数特性改善より自由度が高いばかりか到達できる性能も高いことがわかります。

パイプオルガンの32フィート管はレベルが落ちるため薄く不満は残りますが、ベースの帯域はカバーすることもあり「これで十分じゃないの」と楽を決めたくなってしまいます。静かで中域にくせがなく多くのジャンルの音楽がバランスよく楽しめます。

グライコ設定

 

グライコによる補正後の周波数特性