2009' 9 / 12

スピーカの再生周波数範囲は最低共振周波数までとされています。だからといって最低共振周波数以下は再生しなくても良いことにはなりません。

学生時代オーディオ誌を参考にトライしましたが優れていた記憶はありません。加速度型MFBで当時はアナログレコードや出力トランス式真空管式アンプと低域特性はとってもプアでした。

フィージビリティ・スタディ

速度型MFBでどのぐらい良くなるのか?欠点や制限、注意点もあるはずです。MFBアンプを試作してメインアンプに付け加えて少しずつ手探りで進めてみます。

ブリッジ型MFB

MFB信号検出にブリッジ型をチョイスしました。メーカ製のボイスコイルをそのままMFB信号検出器としますので工作精度に依存する歪やリニアリティ・エラーなどがありません。MG100HR-Sがそのまま使えるのがポイントです(^ ^);/。

独立したMFB信号検出器を備える他の方式は振動系質量の増加を伴い、伝播遅延など原理的に不可避です。ダイアフラムの前面に音の経路を阻害する構築物はあってはなりません。

ブリッジ型MFBを「電流正帰還」とする説がありますが間違いです。モーショナル信号を負帰還することでボイスコイルの挙動を改善します。

ディスクリプション

ボイスコイルに流れるスピーカ駆動電流と逆位相のモーション電流を、スピーカに直列に挿入した抵抗で検出します。ホイーストンブリッジと差動増幅器によって逆位相のモーション信号を抽出し、レベル補正し位相反転して負帰還します。LPFは疑問があり外しています。

速度型MFBによって周波数特性は+6dB/octの速度型特性になるとのことなのでイコライジングが別途必要です。

 

MFBアンプ

 

パワーアンプに組み込んだ試作MFBアンプ

抽出したモーション信号

パワーアンプへのフィードバックを切り離し、テストCDからの1kHz信号を入力してMFBアンプ出力をオシロスコープで見ながらブリッジバランスで振幅を最小にしてからMyspeakerでMFBアンプの周波数特性を調べてみました。

低域は600Hzから100Hzにかけて6dB/octで単調に増加しています。最低共振周波数の83Hzで飽和しそれ以下では振幅が減少します。負帰還することでモーション信号の周波数特性がフラットになりスピーカの音圧周波数特性が速度型特性になることが伺えます。

高域はボイスコイルのインダクタンス成分の影響と考えられますが歪が改善され高域バランスがよくなるので様子見とします。

抽出したモーション信号

MFB量による特性改善

スピーカからの音圧周波数特性はMFB量を増やすとどんどん改善され一番下のブルーのラインに示すように+6dB/oct特性が得られることがわかります。どんなエンクロージャでも得ることができない理想的な特性が得られることが分かります。歪率も改善されます。

まさにスピーカが理想的な性能にぐんぐん近づきグレードアップします。わくわくして夢中になっちゃいます♪。

MFBによる周波数特性改善

イコライザ

速度型特性を等価するイコライジング・アンプです。ダイアフラムの振幅が低域に向かって増加し続けますのでフレームにぶつからないように、ぶつかりにくいように、ぶつからないといいな、と、低域端を25Hzまでとしています。

イコライジング・アンプ

 

イコライジング・アンプ特性シミュレーション

MFBアンプ製作

検出抵抗はスピーカとシリーズに挿入さるためパワーロスと音質にインパクトがあります。BSNに入荷したての高音質なジェンセンの高精度無誘導型巻き線のリストからもっとも値の低い0.22Ωをチョイスしています。他抵抗は「進」、ポテンショメータは「コパル」、信号キャパシタは「メタライズドフィルム」、電源キャパシタは「ニチコン・ミューズ」です。オペアンプは手持ちの「JRC5532D」で交換可能なソケット式にしています。進はBSNで、コパルとミューズは秋葉の海神無線でゲットしました。

補正増幅器を組み込んだMFBアンプ

オーバーオール特性

MFB量を抑えたので30Hzまでですが驚異的な特性です。ダイアフラムは盛大に前後し大入力でフレームに激突して壊れそうなほどです。ボリューム調整は細心の注意が必要です。CDによっては音にならない低い周期でダイアフラムが前後にムニュムニューと動きます。

超小型の密閉型エンクロージャで、いままで聴くことができなかった良質な低音が得られます。CDによってはまるでそこに誰かがいるような雰囲気まで伝わってくる不思議なプレゼンスが得られます。いろいろ気になるところはありますが、原理的に優れていることが分かります

MFBオーバーオール周波数特性実測

 

MFBオーバーオール周波数特性

ミニ視聴会へ

「第6回BSNミニ視聴会」お披露目の朝になんとか形を整えて問題を残しつつも会場へ持ち込みました・・・・