2010' 3 / 6
MG100HR-Sスフェリカルエンクロージャ・フィニッシュ
腕の良い職人さんによる木工製品の仕上げの美しさは息をのむほどです。BSNきっての塗装の名人、TKさんの「削りすぎないよう手で丹念に」のコメントを参考に気合を入れて塗装に取り組んでみました。塗料は「油性」のつやあり「シリコン・クリアラッカー・スプレー」を選びました。
半球のつなぎ目のわずかな段差は240番サンド・ペーパーで完璧になくしています。つなぎ目の溝に入った木屑をたんねんに掃除して「との粉」で目止めします。十分に乾かしてから400番のサンドペーパーで全体をたんねんに磨き上げ、固く絞ったタオルで水拭きして一晩かけて乾燥します。
遠くから全体に万膳無く吹付け塗装し、十分乾いてから再度吹きつけ塗装と3回重ねぬりして十分に乾燥させます。400番のサンドペーパーでラッカーが見えなくなるぐらいまで研ぎ出して固く絞ったタオルで水拭きして一晩かけて乾燥させます。この工程を2回繰り返します。
最終塗装はたんねんに7回重ね塗りしています。綺麗な木目が深い艶の中から浮き出すように仕上がりました。
| #240で、段差を完璧になくします。 | 継ぎ目を綺麗に掃除して |
| 「との粉」を同量の水で溶いて | 隙間を埋めて乾燥後400番で磨き上げます |
| 3回重ね塗り | 400番のサンドペーパーで研ぎ出し |
| 3回重ね塗り、400番で再度研ぎ出し | 仕上げは7回重ね塗り |
ガスケット加工
万が一の事故からダイアフラムを保護するためガスケットを取り付けることにしました。ガスケット・フレームがスフェリカル・エンクロージャに当たらないよう高さを7.5mmにカットします。
| フレームを7.5mmにカット | スピーカユニットのフランジにかぶりません |
組み立て
ターミナル、内部配線と組み付け、吸音材はいっぱいに充填します。純粋にソースに含まれる響きなどの弱音成分を聞くにはダイアフラム以外の振動は有害です。
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吸音材充填のもよう |
デッドマス
エンクロージャ自体の振動は何を聞いても固有の同じ音が付きまといます。この振動はダイアフラムのリアクションでフレームを経由して伝達されたものです。スピーカユニットを浮かせて取り付けても、マグネット・フレームを後から支える構造でも振動モードは変わっても振動そのものが減少するわけではありませんので本質的な解決とは言えません。
昔からごく一部のマニアの間でダイアフラムと、支える構造の質量比は大きいほど良いとされて来ましたが、データの裏づけが無く方法論も確立していませんでした。ここでは振動解析により検証されたデッドマスを取り付け、振動そのものを減少させます。
MG100HR-Sのダイアフラム等価質量5.4gに対してフレーム重量1.5kgと質量比は276倍ありますが、総重量2.5kgの真鍮デッドマスを2液性のエポキシ接着剤で接着し、総合で4kgと質量比740倍と振動支点の明確化と振動対策を行っています。これによって演奏中にエンクロージャを手で触ってもかすかな振動しか感じなくなります。
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デッドマスを2液エポキシで接着 |
インピーダンス測定
ブリッジ検出型で対象となる逆起電圧、すなわちインピーダンスの差見るためエンクロージャ組み付け前と後とでインピーダンス特性を測定しています。黒のソリッドカーブがフリーエア、赤のソリッドラインがエンクロージャに組み込んだインピーダンスカーブです。吸音材を充填しているため中域の定在波がないことが分かります。
最低共振周波数は70Hz⇒80Hzに上昇し、極大点のインピーダンスが下がっています。これは逆起電圧が減少すること、すなわちダイアフラムの共振が制御されたことを意味します。
高域については掘り下げが少なくボイスコイルの固有インダクタンスにより上昇すると説明されていますが、わずかながらインピーダンスの変化、すなわち逆起電圧が減少する様子が分かります。ドライブ手法によっては周波数特性が変化し音質に大きなインパクトを与えます。
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組み付け前後でインピーダンス変化を測定 |
ガスケット取り付け
MG100HR-S型スピーカユニットを入手してから実にん〜ヶ月もかかっちゃいましたが、ガスケットをアレンレンチで友締めして、どこにも載っていない唯一のと言えるスピーカ部が完成です。♪
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スピーカ部完成です |