2010' 9 / 13
理想的なオーディオシステムはリスナーのまでの伝達関数が1、すなわち周波数特性がフラットで位相特性フラット(フェーズリニア)であり、そして歪がないことだが、実現することは難しかった。
周波数と位相特性フラットを実現するSSCと、ダイナミックスピーカ固有のひずみを改善するMFBとのコラボ で実現する伝達関数1のシステム第2弾だ。
2wayシステム構成
合成伝達関数1、周波波数・位相特性がフラットなSSC (BSN : Sound Stage Conductor)のFIRフィルタで構成する2chマルチアンプシステムだ。MFBドライブの低歪球形スピーカ(Fostex MG100HR-S)に低域のリニアリティを改善する試作ウーファ(SCANSPEAK 23W4557T)、オーディオI/FとしてUSB2.0接続のローランドのUA101など組み合わせ ている。
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第10回ミニ視聴会(2010'09/05)に於けるセッティング の模様 |
SSC 新バージョン
伝達関数1を実現するためのFIRフィルタやタイムオフセット機能を備えたSSC (Sound Stage Conductor) が新バージョン、V1.5.1で大幅に機能アップし使い勝手がぐんと向上した。 新たに搭載したファイルプレーヤで非圧縮ファイルやFLACファイルがダイレクトにSSCでプロセスできるため信号変換をはじめプレーヤに起因する音質劣化要因が皆無になった。 実際、 同じミュージックソースをファイルプレーヤで比較再生すると高密度で静謐なソース自身が持つ品位の高さや綿密な楽器の配置などが手に取るようにわかる。
新機能
・最大6chのマルチチャンネル対応
・12chレベルメータ装備
・サンプリングレート表示
・PCM、FLAC対応ファイル・プレーヤ
・フローティング・パネル
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ファイル・プレーヤで再生中のSSC V1.5.1 |
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UA101
ペリフェラルのオーディオI/Fとしての、USB2.0接続で96kHz/24bitで10in、10out (192kHzで 6in、6out)仕様のローランドのUA101オーディオ ・キャプチャだ。
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ローランド UA101 オーディオ・キャプチャ |
クロスオーバー
クロスオーバー周波数として(マルチウェイで不可避な)視聴位置での周波数特性の変化を少なくするため、ユニット間距離に対して波長が十分に長い200Hzを選んでいる が、不自然さは全くない。ネットワーク合成特性が伝達関数1を実現できるFIRならではのものだ。
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マウス操作でBUS1、BUS2にチェックをいれて、クロスオーバーを200Hz、-18dB/octに設定 |
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IOセットアップ
プルダウンメニューで設定後、信号接続はUA101のch3/4出力を200Hz以下を受け持つ23W4557Tに、ch5/6出力を200Hz以上をうけもつMG100HR-Sにそれぞれ入力する。
バッファサイズは96kHzサンプリング時1920とした。
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IOセッティング |
バッファサイズ |
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S/Wプレーヤ
e-Onkyoから提供されるDRMのロスレスWMAファイルをはじめとした圧縮フォーマットをサポートするためにUA101のミキサー機能 を応用している。ウィンドゥズ・メディア・プレーヤをはじめとしたS/Wプレーヤや音声編集S/WなどからダイレクトにSSCにルーティングさせることでいろいろなフォーマット を楽しむことができるようになる。
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サウンド・エンジン・フリーやWMPからの再生 |
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再生デバイス設定
Win7/Vistaのコントロールパネルから再生デバイスはUA101のch9/10を選び、UA101コントロールパネル設定はch9/10のoutputフェーダを0dBとしている。
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再生デバイスとしてUA101のCH9/10を設定 |
CH9/10フェーダを0dBに設定 |
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補正前周波数特性(40cm)
スピーカから40cmの距離における補正前の実周波数特性だ。精密なユニットの落とし込み加工で40Hzから20kHzを超える広い帯域でフラットといえる極上の特性 なのだが、SSCで補正した音と比べると不十分であったと分かる。
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スピーカ補正前特性 |
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補正周波数特性(40cm)
MG100HR-Sダイアフラム形状からくる高域の細かな凸凹さえまっ平らになり理想的な応答に補正される。マルチウェイでこの周波数特性はかつて見たことが無い 。すごい!
Never seen on the market before(@ @)m
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スピーカ補正後 |
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ルーム補正前特性(視聴位置周波数特性)
スピーカの特性を完璧にフラットにしたときの視聴スペース中央の周波数特性だ。素直で良い部類といえるのだが音質に与える影響は大きく、さらに左右でも特性が異なるため定位 への影響も深刻だ。
オーディオルームに理想スピーカを設置したとしても視聴ポイントではこのようになっているのだが今までは対策が困難だった。
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視聴ルーム特性、ましなほうだが・・・・ |
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ルーム補正後特性
今までどんなに手間、閑、金をかけても決して手にできなかった特性だ。♪視聴スペース中央で20Hzから20kHzまでフラット±3dB以内が得られている。 ここまでやって初めて エンジニアが精魂込めて作りこんだソースに含まれる音の全てがわかるようになる。
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視聴ポイントでの特性、最上の特性だ! |
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視聴会
ヴォーカルのファンダメンタル、200Hz、-18dB/octにクロスオーバを 設定したマルチアンプだ。もっとも厳しいオーディオ協会から配布されている評価用の男性ヴォーカルを手始めに再生した。
44.1kHzCDフォーマットや96kHz24bit、192kHz24bitなどヴォーカル、ジャズ、クラシックなど沢山のソースを選ん だ。192kHz、24ヒbitフォーマットデータは 最新のスタジオマスター品質のPCM、FLACロスレスフォーマットなどで、同じ楽曲で異なるサンプリングレートでの音の違いなど聴き比べも織り込んだ。
可聴帯域全域で正規化された初めての音に、参加者の多くから定位の違いやハイサンプリングソースの違いなど報告もあり実に好評だった。
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視聴の模様 |
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not Taboo, but True.
ベネチアのカテドラルに美しく余韻するパイプオルガンのパワフルでクリアな響きをスピーカで再生すると不満だらけで音程ですら不明瞭だった。眼前で明快なリズムを刻む、ジャズライブのバスドラムも同様でスピーカによってはボワンと広がってしまったり、スキンが破れいるかのような引きずるかのようなスピーカ固有の音がついて回ったりと聴きこめば聴きこむほどに不満がつのって久しい。
ダイナミック・スピーカは音が不自然なばかりかスピーカ毎にめちゃくちゃ音が違う。違いは何か?どのようにして測るのか?では対策は?どこまでやれば良いのか?具体的な方法は無かったと言える。
最近はタブーであるかのように触れられることが少ないが、40年も前から言われている同時に実現せねばならない3つの物理特性、「レベルvs周波数」特性、「位相vs周波数」特性、「ひずみvs周波数」特性を、非日常的な無響室ではない普通の部屋で「まさに今実現した」そんな気がする。