2011年 新春企画
リファレンス・システム
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プロローグ
レコード全盛期、フォノイコライザのRIAA偏差は±0.5dBが水準だった。音の差が明らかだったからだ。CD、SACD、DVDオーディオとメディアの進歩に伴い改善は進み、今は非圧縮の96kHz/24bitや192kHz/24bitのスタジオ品質の原音データさえ入手できる 時代だ。半導体のアンプであれば遜色ないレベルに達して久しい。これら送り出し系が音質に占める割合は20%とされる。
スピーカが音質に占める割合はさらに大きく30%を占めるとされるが、メーカ発表の周波数偏差は-10dBと問題で20Hzを再生できるものは無いありさまだ。残り50%と最も影響が大きいとされるリスニングルーム にいたってはリスニングポイントで実測データが示されることがあるが言葉を失うほどだ。
映像の世界ではアナログ伝送の大昔から厳密な評価法が確立している。制作者の意図を伝えるには形や色、図柄が変わってはいけないからだ。ところが、音の世界ではスピーカを換えると同じ曲にもかかわらず音は大幅に異なってしまう。不思議なことに誰も疑問をはさまないばかりかこんなのを基準に他のコンポを評価したりするおかしな世界だ 。
リファレンス・システム
SSC(サウンド・ステージ・コンダクタ)はフラットな周波数特性や位相直線をもたらし、MFB(モーショナル・フィードバック)はリニアリティ の改善をもたらしてくれる。最新のSSC、V2.1とUA-101型オーディオI/F、MFBドライブのスピーカを組み合わせファイン・チューニングすることでファレンスと呼ぶにふさわしい スピーカ・システムを構築する。
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リファレンス・システム |
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UA101設定/接続 |
SSC/UA-101設定
必要なドライバを組み込みUA-101、SSC/コンピュータ、MFBアンプの順で電源を入れる。UA-101型の出力3と4の出力をそれぞれMFBアンプの左、右に入力する。
H/W、S/Wの設定の要点をまとめておく。ちなみに測定はSSCのパネルのVolume位置に関係しない。
SSC V2.1
@ASIO SELECT DRIVERでUA101workingを選択
AASIO IO settingでIO Routingde Bus2をOUT3-4/Out3-4(4)を選択(デフォルト)
BMeasurement MicrophoneのプルダウンメニューからMONを選択
CCrossOverでBus2にチェック
UA101ハードウェア
@リアパネル、PHANTOM電源ON
Aフロントパネル MONTRスイッチを押し込む
BDIRECT MONTRノブをINPUT MONいっぱいに
CSENS1を時計方向いっぱいに
DSAMPLE RATEを96kHzに
UA101コントロールパネル
Eドライバのプルダウンメニューでドライバ設定からバッファサイズを8に
FINPUT MINITOR1のスライドバーを調節(*1後述)
GMONITOR OUTのスライドバーを調節(*2後述)
マイクロフォン
測定用マイクロフォンをスピーカのダイアフラムの中心軸上100mmに正対させる。実際の部屋で再現性の良い測定が可能で周囲の反射の影響が少ない。
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マイクロフォン・セットアップ |
SpeakerMesurement
Startボタンをクリックすることで10Hzから30kHzのグライドトーンが出力される。 小口径のスピーカは特になのだが20Hzを得ようとするとダイアフラムのストロークが十分にとれないため歪まない範囲で音量を設定する。聞こえないはずの10Hzが歪むとで聞こえ るので判定しやすい。注意深く聴きながらMeasurementParameterのLevelと必要に応じてアンプのボリュームを調節しする。このときUA-101のフロントパネルのLEVELメータがグリーンであることを確認する。今回の測定では前述FINPUT MINITOR1のスライドバー は+12dB、 GMONITOR OUTのスライドバーは+3dB、スピーカの音響出力は測定マイク位置で76dBだった。
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測定中のLEDレベル・メータ |
測定が終了すると周波数特性が表示される。400Hzから1kHzのレベルに着目して平均が0dBになるようLevelを調整してから再度Startボタンをクリックし測定結果をセーブする。このときSSCのディスプレイスムースネスを1にすることでダイアフラムの細かな凸凹までわかる。
MFBドライブとイコライザで、低域は25Hzから10kHzまでほぼフラットな特性が得られている。反射や干渉、エンクロージャの定在波などはサーフィス・フラッシュのスフェリカル・エンクロージャで対策を施しているがダイアフラムそのものの 特徴的な物理特性が5kHz近傍と10kHz以上に表れている。
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400Hzから1kHzの平均が0dBになるようLevelを調整 |
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Speaker Correction
ダイアフラムから10cmに配置した測定マイクのダイアフラムの位置でSSCの精密な補正を行うためのコレクション・パラメータの設定だ。
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Smoothness:1/Frequency:20-2200Hz/Center:0dB/Attenuation12dB/Boost:-12dB |
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SSCスピーカ補正
測定マイクの逆特性であるのだが、 可聴帯域以上の20Hz〜22kHzもの広い周波数範囲でパーフェクトなと言っても良いほどまったいらな特性が得られている。ダイアフラムの細かな凸凹まで精密に制御されていることがわかる。すごいの一言だ 。なによりも非現実的な音響チェンバーではなく実際の部屋で得られたものだ。
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SSC補正特性(ディスプレイスムースネス:1) |
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リスニング・ルーム特性(和室)
スピーカを7畳の和室の一方の短辺に、ソファを反対側に設置しソファ中央のリスニングポイントにおける特性だ。測定マイクは共通なので理想スピーカを配置したのと等価で測定が困難だった「リスニングルームの伝達関数」といえる。両chでまったく異なるし何よりフラットでないことがわかる。
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ルームコレクション画面:ディスプレイスムースネス:10 |
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SSCルーム補正
畳の床や押入れの襖、天井壁、家具による反射や定在波等の影響が残るが最上と言っても良い特性だ。可聴帯域いっぱいの20Hz〜20kHzまでの広い範囲で±3dB以内の周波数特性と 良好な群遅延特性が得られている。
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左ch 周波数特性:赤 / 群遅延特性:緑 |
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右ch 周波数特性:赤 / 群遅延特性:緑 |
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エピローグ
いままではアルバムによってはスピーカの間に並ぶインストルメントが片寄っていたり、広がりがなく真ん中にきゅっと寄っていたりと様々でしたが、左右のスピーカの幅以上にインストゥルメントが前後にも配置されているかのようにイメージさせてくれます。曲によっては上下にも広がりを感じさせてくれます。楽器のすべてのパートが 明確に聴き取れるようになり、 スピーカでは再現が難しいバイノーラルレコーディングもきっちりしたステレオイメージが再現できます。生の楽器の音そのものを彷彿とさせてくれる かのようですし床を伝うピアノのペダル機構音まで生々しく聴こます。
まさにアーティストとエンジニア達が精魂込めて作りこんだソースの全てを聞くことができるかのようです。静かさや余韻という、た たずまいまで分かるかのようです。抜群の鮮度で、まるで演奏会場にいるかのように音楽に浸ることができた気がします。「ハードウェアの存在が消える」 。「口の形がわかる」。「そこで誰かが演奏してる」。 ダイナミックスピーカーにずっと感じていた不自然さがようやく払拭できたような気がします。
小音量ですが音楽を再生するためにはどうあるべきかがようやくわかったような気がします。フルオーケストラや教会のパイプオルガンのクリアでパワフルで荘厳な響き、まだまだ長い道のりですがとても楽しそうです。
本年もよろしくお願いします。
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