2011'0217

リスニング・ルームにPCを持ち込むと・・・・・低騒音とうたわれていてもパソコン本体からの音が無性に気になるときがある。曲の頭や消え入るような余韻がパソコンのうなり音で かき乱されてしまう。興ざめだ。

パソコンでオーディオ再生に取り組んでずいぶんたった。2004年4月にはAudioPCとしてファンレス・パソコンを導入したから、それから数えてもかれこれ8年目 だ。チャレンジしてきた経験をふまえて十分な性能の無音パソコンを目指してみた。

SSC用ファンレス・パソコン

SSCの環境として十分なパフォーマンスが予備実験で確認できたTDP25WのCPU、Athlon x2 260u 1.8GHz、RAMにDDR3 1333 2GBx2、3.5インチHDDで構成したシステム消費電力はアイドリングで40W、ベンチマークで54Wだった。これらをヒートパイプ・メインフレームに組み込みHDDをSSDに換装 することで無音のファンレス ・パソコンに仕立てる。

AMD Athlon x2 260u 25W CPU                 DDR3 1333 2GB x2

キーパーツ

・省電力Mobo
・省電力CPU
・SSC
・無音CPUヒートシンク
・無音チップセットヒートシンク
・無音電源

どれひとつおろそかにできないが流通量が少ないうえに入手困難なアイテムもある。使用したヒートパイプによる60Wのメイン・フレームは流用品だ。

キーパーツ

サーマル・バッファ

メインフレーム廃熱システムに適合させるためにCPUやGPU、チップセットからヒートパイプへのサーマル・バッファを製作した。MOBOに搭載されているAM3ソケット(CPU)とHD4200相当のIGP(GPU)およびSouth chip用で5mmアルミ板から切り出し必要な枚数を重ねたブロック構造だ。

200x300x5mmアルミ材と加工はいつもの東急ハンズ横浜西口店3F工房にお願いした。いつもながらの丁寧な仕上げだ。原寸の加工図に 加工済みの部材を重ねてみた。

サーマル・バッファ加工図

加工

CPUとコンタクト・ロックの3mmφのタップ加工や、チップセット用ヒートパイプの曲げ加工の模様だ。必要なカーブになるようヒートパイプの径と同じ内径のワッシャを複数枚通して曲げ加工中に潰れたり折れたりしないようにして慎重に作業を進めた。

ヒートスプレッダ・コンタクト3mmφタップ加工

ヒートパイプを同じ寸法のワッシに通して

ヒートパイプが潰れないように慎重に曲げて

チップセット・サーマルバッファに組み付け

Mobo改造

MoboからCPU FANリテーナ、チップセットヒートシンクを取り外す。下に並んだ2つのチップが、左がHD4200GPUコアのRADION IGP、右がサウスブリッジだ。

CPUファン固定、チップセットヒートシンク取り外し

 

サーマルバッファ取り付け

コンタクト面にシリコン・グリスを全面に塗布して重ね合わせて製作した。左がGPUとサウスチップのヒートバッファ(青ブロックの下)と右がCPUのヒートバッファ(赤ブロックの下)だ。右のCPU用ヒートバッファからのパイプがRAM上を横切っている模様がわかる。

サーマル・バッファとヒートパイプ・システム

CPUサーマル・パス

CPUサーマルバッファ赤、6mmφヒートパイプ(銀)を経由して筐体右ウィングのヒートシンクへのサーマル・パス

CPUサーマル・パス

GPU・チップ・セット・サーマル・パス

GPU・チップ・セットサーマルバッファ(青)、5mmφヒートパイプ(金)を経由して筐体左ウィングのヒートシンクへのサーマル・パス

GPU・チップ・セット・サーマル・パス

Win7インストレーション

MoboBIOSでUSBドライブをサポートしていないため、別のパソコンに組み込まれたOptディスクドライブに接続してWin7をインストールした。

別パソコンのOptドライブと接続

SSD

長期信頼性のTRIMや高性能なNCQをサポートしているCFDのCSSD-SM128WJ3型128GB、SSDをチョイスした。128GBの内訳は30GBをシステムに、残り98GBをMusicデータ用 にパーティションした。メディア・マウンタへの取付やケーブル・ドレスも施して内部のエアーフローを確保している。

インターナル・ビュー

 

外付けUSB/HDD

メディアの容量は CD1曲あたり平均700MBとして手持のCDを全てリッピングしたとすると、350GB必要だ。 最新のハイサンプリング音源は4倍の容量になるのでとてもSSDでは賄えない ことになる。スピード、発熱、騒音の面で抜群のSSDだが容量、価格の点ではHDDには適わない が組み込むとOSが勝手に起動して無音でなくなる。HDDを外付けのUSB接続とし必要に応じて電源を入れることにした。USBケースはファンレスの玄人志向の玄蔵GW3.5AA-SU2をチョイスした。組み込みはとても簡単だ。

USBケースにHDDを組み込み

電源アダプタとUSBケーブル

使い勝手

スピンドルを全廃して無音を実現したパーフォーマンス・メイン・フレームだ。SSD採用の効果は絶大で起動時間はコールドブート39秒、スタンバイからの復帰は6秒とHDDに比べてはるかに短時間で立ち上がる。

SoundEngineFreeで192kHz非圧縮音楽データを再生96kHzにリアルタイムに変換してSSCで12chにフル・プロセスしながらWaveSpectraでリアルタイムにFFT分析と想定される以上に重い動作をさせ たがCPU使用率は85%と合格圏内だ。

このとき、最大総合消費電力51W、ヒートシンク温度上昇20℃以下、総合サーマル・レジスタンス0.4℃/W以下と 余裕があり、夏場でも安定して運用できそうだ。

ヒートシンク温度と環境温度

 

パイロットランプ(ブルー)

 

CPU使用率85%(192kHz音楽データ再生、SSCプロセスと同時にWaveSpectraでリアルタイム分析 )

パフォーマンス

お約束のパフォーマンスチェック、Windowsエクスペリエンス・インデックス・サブスコアは一番低いグラフィックスでも4.4と なかなか良い値だ♪。

エクスペリエンス・インデックス4.4

HDbench&Superπ

比較用パフォーマンスデータ、ストレージ転送レートが頭抜けている。

HDbench

ALL

Integer

Float

MemoryR

MemoryW

MemoryRW

DirectDraw

 

108095

 120760 

 225115

199423

208587

 373506

   29

 

Rectangle

Text 

Ellipse

BitBlt  

Read

Write

 Copy

Drive

2257

1905

1793

216

204799

107449

 9379

C:\100MB

 

Superπ

104万桁

1677万桁

00分 41秒

17分 06秒


ウイルスチェック

常駐型アプリで結構足を引っぱり採用したくないところだが、 WWWからDLしたスタジオ品質の音源データをロスレスで演奏する環境を安心して運用するため は不可欠だ。アップデートやお知らせのたびにアプリに中断がほとんどないウィルスセキュリティーゼロをチョイスしている。