2012' 7 / 28

プロローグ

 ソースによって聞こえ方が異なりますがSSC-Xに組み合わせるアンプによって、アンプからのノイズが気になることがあります。ドラムスやベースのアタック の瞬間やテスト信号ではグライドトーンにかぶる感じがします。

波形ひずみと改善

ボーカルの子音やストリングスのピッツィカート、パーカッションのアタックなど微妙な音色を再現するには孤立波を波形レベルで高品位に再生する必要があります。ところが ダイナミック型スピーカはユニットのダイアフラム共振に加えてエンクロージャの低音ポート共鳴や内部定在波などによりバースト波や単発サイン波などの再生は絶望的です。

エンクロージャに共鳴機構が無い密閉型を採用してもダイアフラムの共振周波数近傍ではバースト波の立ち上がり立下り共に周波数(ピッチ)や振幅(音量)が単発サイン波では周期(音の長さ)が著しく異なります。コンベンショナルなドライブのままでは残念なことに微妙で官能的なボーカルや楽器本来の音の再生は望めないことがわかります。

ダイアフラム共振による波形ひずみ(密閉型スピーカ)
上:入力信号 下:スピーカ出力

バースト波

単発サイン波

リニアXcur±13mmのウーファユニットをベースに構成した3chマルチ・システムをSSC-Xを駆使して最適化することで可聴帯域全域におけるバースト波や単発サイン波の再生が可能になっています。改善された立ち上がりや立下りのそのせつな、アンプ内部に何が起きているのか?スピーカを厳密にドライブするアンプはどうあらねばならないのか?

改善された音響出力
上:入力信号 下:スピーカ出力

改善されたバースト波

改善された単発サイン波

SSC-Xドライブ信号

SSC-Xは入力信号と音響出力が等しくなるようにスピーカをダイナミックにコントロールします。バースト波や単発サイン波信号では立ち上がり時や立下り時に信号に応じて定常振幅より大きな成分を、その前後には入力信号よりも低い周波数成分をプロセスします。DCに近いこの成分で電源のリプルがリークするのがノイズの原因です。

ダイナミック型スピーカから音楽信号に忠実な音響出力を得るには、ラボ用電源並みの低リプル電源と可聴帯域より低いDC領域からパワフルに出力する性能のアンプが必要です。 既存アンプの電源改造は容易ではありません。リプルが可聴帯域外の高周波スイッチング電源モジュールとPWM Dクラス・アンプを選んでみました。

スピーカドライブ信号波形:上、 スピーカ出力:下

バースト波

単発サイン波

 

バースト波ドライブ信号:上、 スピーカ出力:下

PWM Dクラス・アンプTK2050型

PWM、Dクラス・100Wアンプが4ch実装された15cm弱平方のコンパクトな基盤です。電源電圧範囲は10V〜32V。 RCA入力、出力パターン、電源標準ジャックとそれぞれにパラにスクリュー・ターミナルを備え組み込みでもそのままでも使用できます。

最大出力(Po)は電源電圧(Vcc) と負荷インピーダンス(RL)からPo=(4*Vcc*Vcc)/(8*RL)で計算できます。変換ロス10%程度として4Ω負荷で111W得るには逆算して電源電圧は30V効率90%とすると124W以上の電源があればよさそうです。♪。

TK2050を左右にそれぞれ使う

 

接続コネクタ

スイッチング電源

左右ch用に30V、12A(350W)のスイッチング電源モジュールを2台使います。スイッチング周波数は27.6kHz、リプルは13.4mVp-pです。可聴帯域外なので聴こえ ないはずですが、ダイナミックな領域では楽音のハーモニクスとのビートが出ないとも限りません。念には念を入れて0.6mHの空芯コイルと12000uFの大容量オーディオグレードのキャパシタによるLCフィルタ で100dB以上リプルを減衰させます。

30V、12A、350Wスイッチング電源、高減衰 LCリプルフィルタ

 

Tina7によるフィルタ・シミュレーション

 

SSC-X3chTK2050デモンストレーション・システム

3chデモンストレーションシステムの大型メイン・アンプ3台をTK2050型4chデジタル・アンプ2基に変更した評価システムです。

SSC-X3chTK2050デモンストレーション・システム

セッティング・パラメータ

低域のクロスオーバ周波数を250Hzとわずかに変更し高域はそのまま3kHzとしています。スロープは120dB/oct、ポラリティ はnon invです。相対レベルはメディアムを基準0dBとしてウーファ+16dB、トィータ-5dBに設定しています。スムーズネス0としたSSC-Xの補正範囲15Hz〜20kHz、レベルは±12dBと 可能な限り広く設定するのがポイントです。またUA101型オーディオI/Fのサンプル・レートは96kHz、バッファサイズは8としています。

ネットワーク設定(SSC-X3chTK2050デモンストレーション・システム)

モジュール

 相対レベル ポラリティ クロスオーバ周波数/スロープ 250Hz 3kHz
ウーファ +16dB non inv LPF -120dB/oct  
メディアム -0dB non inv BPF -120dB/oct -120dB/oct
トィータ -5dB non inv HPF   -120dB/oct

 

SSC-Xコレクション設定

総合特性

大型のメインアンプで構成したシステムと同様に、 周波数特性は20Hz〜20kHzの可聴帯域全域で直線的でフラットな理想の周波数特性が得られています。サインショット波形も可聴帯域全域でパーフェクトといえる応答が得られています。奇数次の3次高調波ひずみ率は30H以上で1%以下を保っていて20Hzでも3%程度と 全体的に低い半面偶数次の2次高調波は比較的高めでTK2050固有の特性です。

(UA101型サンプルレートは44.1kHzとしMySpeakerを独自に応用しています)

周波数特性(SSC-X3chTK2050デモンストレーション・システム)


*MySpeakerを独自に応用しています。

 

サインショット波形(SSC-X3chTK2050デモンストレーション・システム)


*MySpeakerを独自に応用しています。

 

ひずみ率(SSC-X3chTK2050デモンストレーション・システム)


*MySpeakerを独自に応用しています。

エピローグ

目論見とおり、ソースによって気になっていたノイズがなくなったばかりではなく、無音の空間に楽器が立体的に浮かび上がる感じが鮮明になります。 ここまで出来るようになると、もっとひずみを下げて音響出力波形を入力信号にさらに近づけてと欲がでちゃいそうです。(^^);/